岩手県岩泉町で去年の台風10号の被災地の見学会が開催されました(2017年9月16日)

2017年9月16日、岩手県岩泉町で去年の台風10号の被災地の見学会が開催されました。

見学会に参加した大隅さんと、上原さんからの報告です。

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東北支部の大隅智子です。
今年の春から広島から盛岡に移りました。

9月16日、去年、台風10号で甚大な被害のあった岩手県岩泉町で見学会を行いました。

岩手河川国道事務所の所長の清水様、副所長の三浦様、調査第一課長の岩沢様、岩手県県土整備部河川課の河川海岸担当課長の馬場様、主任の松本様、岩手県沿岸広域振興局土木部岩泉土木センターの副所長の工藤様、河川復旧課長の菊地様に案内をして頂きました。

気象キャスターネットワークからは、東京や仙台などから16人の会員が参加しました。

盛岡駅に集合し、貸し切りバスで岩泉へ行かせて頂きました。

去年、台風10号は、東北地方の太平洋側に観測史上初めて上陸し、岩泉町を流れる小本川が氾濫し、甚大な被害が出ました。
小本川は、県の北東部に位置している二級河川です。

まず上流の門(かど)地区を見学しました。

橋が流されたり、沿岸が浸食されたり、家屋が浸かった被害がまだ残っていました。
今後は、堤防を築き、片岸の幅を広げ、家屋の浸水被害の解消を図る計画だそうです。

次に袰綿(ほろわた)地区へ。

去年、大量の流木により氾濫の被害が拡大しました。
そのため、ここでは、川の屈折した部分を利用し「流木補足工」を作り、流木の堆積を止める計画だそうです。
スリット構造と呼ばれるもので、流木は捕捉でき、かつ水は流れるという画期的な、全国でもまだ少ない工法です。

そして、下流の乙茂(おとも)地区へ。
堤防が決壊し、大規模な洪水が起きた場所です。
下流なので、ふだんの流れはゆっくりです。

水位が2メートル以上になり、9人の犠牲者が出た高齢者施設は、今は取り壊され、駐車場になっていました。
現場を見て、濁流の勢いがいかにすごかったかがよく分かりました。
今後は川床を掘り下げ、堤防を築く予定だということです。

ランチは地元で人気のレストランでマツタケ入りのガレットを頂きました。
マツタケの産地でもある岩泉町ならではですね!

最後に日本三大鍾乳洞の一つの龍泉洞へ。
龍泉洞も去年の台風10号の被害にあい、閉鎖されていましたが、今年の春から再開しています。
時間がなかったので、25分という早さで見学しました、

地底湖の水深は 最大120mもあります。
湧き出る水は世界でも有数の透明度で「ドラゴンブルー」と呼ばれる深い青色をしています。
龍泉洞の前で記念写真を撮影しました。

小本川は、蛇行も多く、自然のままの川です。
だからこそ、渓流が美しく、人気の釣りのスポットになっています。
しかし、去年、これまでに経験したことがない大雨により、大規模な洪水が発生し、多くの方が犠牲になりました。
自然は美しい姿を見せる一方で、時には恐ろしい顔になります。
私達は、自然に対して感謝し、謙虚にならないといけないと思いました。
今後、気象や防災を伝えていく上でも貴重な経験となり、本当に充実した見学会になりました。
岩手河川国道事務所、岩手県県土整備部河川課、岩手県沿岸広域振興局土木部岩泉土木センターの皆さま、本当にありがとうございました。

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仙台の上原諒です。
今年の春に気象キャスターの仕事を始めて以来、気象キャスターネットワーク の活動は初参加となりました。
実は、岩泉町周辺に甚大な被害をもたらした台風10号は、当初の予想では(在 住の)宮城県に上陸するシナリオだったのです。「もし宮城に上陸していたら、 北上川流域などが大きな被害を受けていたかもしれない。これは他人事ではない。」と強く記憶に刻まれていた台風であったことが、参加に至った大きな経緯 でした。

現地では、岩手河川国道事務所の方など、多くの皆さんのご協力のもと、被災 地岩泉町の小本川流域を中心に視察をしてまわりました。現場を目にして次々と 浮かんでくる疑問・質問に対し、丁寧に説明をしていただき、被害の特徴や 今後被害を防ぐための整備事業などについて理解を深めることができました。また、今年の3月に営業を再開した「龍泉洞」の見学など、お楽しみの時間もあり、充実した一日を過ごすことができました。

普段、気象業務に携わる中で被災現場に足を運ぶ機会はなかなかありません。 今回の参加で一番に痛感したことは「気象解析をしたり、メディアで情報収集をしているだけでは、本当の意味で”防災・減災”を担う気象キャスターにはなれない」 のだということ。”どこに、どの程度の時間、どのくらい雨が降ったら、どのような被害が及ぶのか”。そういった「想像力」を磨くことが、異常気象が頻発している今、気象キャスターに求められているのではないかと思います。

今後も、このような活動に積極的に参加し、「命を守る気象解説」に繋げていけたらと考えています。