9月22日 理事のお天気だより(渡部圭吾)

台風シーズンが続いていますが、
今月3日に発生した台風15号によって、
静岡県では竜巻などの突風被害が相次ぎました。
特に牧之原市から吉田町にかけて発生した突風は竜巻と認められ、
突風の強さは「JEF3」と判定、国内最大級の竜巻でした。
※日本版改良藤田スケールとは
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado1-2-2.html

私は、竜巻が発生した5日(金)と翌日6日(土)を中心に
竜巻や台風報道に関わりました。
静岡県西部や中部の平野は元々、突風が起きやすい地域で、
牧之原市では2021年5月にも竜巻(JEF2)が発生しています。
今回もある程度の被害は想像していましたが、
次々と入ってくる映像を見て、被害の甚大さや範囲の広さに驚きました。

「今までになかった竜巻だ」と感じ、
7日(日)に現地視察に行ってきました。

私が行ったのは牧之原市中心部(旧・榛原町)です。
駿河湾側から陸地に向けて竜巻が通っていきました。

風圧で倒されたフェンス。
その隣の空き地の植物も同じ方向に倒れていました。

電柱も根元から折れ、家屋に倒れかかっています。
こちらも倒れる方向は私が見た限りでは一様に北側でした。

停電も長引きました。
交通量の多い大きな交差点には、
警察が発電機をつなげて信号を点けていました。

発災から半月ほど経ちましたが、
店舗が営業ができない所もあるようです。

後1時前で止まった時計。
竜巻が発生した時間帯です。
風水害や地震など、時計が止まっている光景は

自然災害発生の証人のようです。

災地を一通りまわりましたが、

改めて被害の大きさや甚大さを感じました。
その一方で、台風接近前にどのように突風に関して
注意喚起をした方が良かったのか考えさせられました。

気象現象は時間スケールが短く、
空間スケールが小さい現象ほど、予測が難しくなります。
当時は竜巻注意情報が発表されていましたが、
適中率は数パーセント程度です。
※竜巻注意情報の精度について
https://www.data.jma.go.jp/tatsumaki/tatsumaki_hyoka_top.html

適中率が低くても適中すると
甚大な被害につながりやすいのが竜巻です。

被害を無くすことは難しいと思いますが、
天気が急変し雨風が強まり始めた時には建物の中に入り、
窓やカーテンを閉めるなど、自然に行動できるようになるだけでも、
被害は軽減できるのかなと感じました。
また竜巻発生確度ナウキャストの存在などを
多くの方に周知することも大切だと思います。