仙台市若林区「お天気防災教室~自然災害から身を守るには?~」を開催しました(2016年10月22日)

10月22日に仙台市で行われた被災地ボランティアイベントについて、会員の鈴木智恵さんから報告です。

東日本大震災以降、毎年の恒例となった気象キャスターネットワーク被災地支援イベント。南三陸、気仙沼、陸前高田、東松島、福島県のいわき市・広野町・富岡町、去年の岩沼に続き、ことしは仙台市若林区の七郷小学校で、関東や地元・仙台など14名が参加して行われました。

東日本大震災で大きな津波被害を受けた仙台市荒浜の海岸からほど近い仙台市立七郷小学校。学区の一部が津波で浸水するなど甚大な被害を受け、「ともにたちあがろう!七郷」をスローガンに復興学習に取り組み、文部科学省研究開発学校制度の指定を受け、授業の中に「防災安全科」を設けるなど、積極的に防災学習を行っている小学校です。

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5年生を中心に、下は保育園の女の子から上は6年生までの児童たちや、保護者の方々、あわせて約65名と、まずは「お天気防災教室~自然災害から身を守るには?~」。世界一受けたい授業にも出演された空の探検家・武田康男先生の、雲の変化の映像には、「ううぉー」っと歓声があがるなど児童だけでなく親御さんや先生方もクギづけ!そのほか雪の専門家のお話、竜巻や台風、そして地元の地名に防災のヒントがある話まで、みんなワクワクしながら、楽しく学ぶ教室でした。
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イベント後半は、気象キャスター・気象予報士に質問タイム!
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お母さん方からも質問がでて・・・・ひと言で答えるには難しいものも。
やっぱり気象は奥が深いなぁ・・(苦笑)
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ステージイベントのあとは、3つの体験コーナーに分かれて、工作に無我夢中なひととき。
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武田先生のコーナーは特に大人気!南極の氷体験も!

イベントのあとは、今回のイベントで大変お世話になった亀崎先生から、震災当時の七郷小学校の様子をお聞きし、学校の防災学習の取り組みについてもご紹介いただきました。
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その後、津波被害の大きかった荒浜小学校を視察。震災遺構になることが決まり、保存のための工事が行われている校舎を眺めながら、震災当時、その荒浜小学校に勤務され、児童たちと屋上に避難、ヘリコプターで救助されるまで児童の安全を第一に考え過ごされたおふたりの先生方から、当時のお話をお聞きしました。
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校長先生が「児童たちをいち早く、直接、屋上に避難させるように」と指示されたこと、避難する中での先生としての心情、児童の表情、「あれは何だー!」津波を最初に発見した方の声、どーんと強い衝撃のあと学校のまわりの建物が津波でなくなったこと、山が押し寄せてくるような津波や、洗濯機の中にいるような津波の渦、校舎の造りや向きが命を救った話・・・などなど、実体験された先生方からの言葉は、これまで聞いたことがないものばかり。衝撃で身動きができないほどでした。
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その後は、仙台市で唯一の海水浴場・深沼海水浴場を、震災当時、荒浜町内会長のおひとりだった早坂さんにご案内いただき視察。
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地震・津波発生直後の様子から、被災後、町内会としてどう取り組み復興へと歩んでいるのかについてもお話いただきました。
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被災地支援イベントは、子どもたちに楽しみながら防災について学んでもらうとともに、
気象キャスターや気象予報士として、実際に被災地を歩き、感じたものをそれぞれのフィルターを通し、それぞれの場で伝えていくことを目的にしています。
震災から5年7か月。この荒浜を一緒に歩き、見聞きしながら感じた、生きた言葉をしっかり受けとめてこれからもしっかり伝えていきたいと、あたらめて感じた一日でした。
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ことしは初参加のメンバーも多く、いつも以上にみんなで作り上げるイベントになりました。みなさんの温かいご協力があってこそ。心から感謝、ありがとうございました。そして、来年もみなさんのご参加お待ちしています。もちろん初参加、大歓迎です~♪
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